医師にも働き方改革をしましょう!といろいろ施策が進んでいますね。医師の業務時間が短縮できる部分は多々あると考えているし、医師が休むのはいいことだと思っています。
病院というピラミッドの頂点にいる医師が長時間労働で疲弊し事務スタッフや患者さんに冷たい対応をすることにメリットはどこにもありませんからね。
現段階の施策について言いたいことは多々ありますが…。今日はその中で保険会社の診断書を作成するにあたりガイドラインが変更になったので書いておきます。
結論を先に書いておくと、保険会社ごとにバラバラだった診断書の様式を統一して記載の簡略化をしましょう。(=働き方改革!)というものです。
医師の診断書記載の手間はそれなりにありますからね。
診断書作成のガイドラインが変更されたので様式の統一が進む。
ちょっと前になりますが以下のように改定がされました。
生命保険協会、日本損害保険協会において「診断書様式作成にあたってのガイドライン」が改定されました
厚生労働省 平成31年3月25日 資料 より
上記、厚生労働省に書いてありますが
そもそも保険会社の診断書にガイドラインというものがあったことを知りませんでした。書類担当ってやったことなかったんですよね。
このガイドラインには保険会社診断書の記載内容は、氏名、生年月日、病名、術式などが必要です。と具体的に書いてあります。
逆に考えれば、ガイドラインに書かれていないような内容はやめましょう。と示しています。
で、ガイドラインに参考のイメージが用意されたのでどの保険会社も同じようにしてね!ということになります。
【診断書の標準的なイメージ(例) 】
【入院・手術等証明書(診断書)の標準的なイメージ(例) 】
このガイドラインが作成されたことで何が変更されるのか。たぶん何も変わらないでしょう。
ガイドラインが変更になったよ!保険会社は診断書を統一する方向性になるよ!!医師の働き方改革の一環だよ!!!なんて書きましたが、基本的には大きく変わりません。
そもそもガイドラインが変更になっただけで、保険会社は様式の変更をする義務はありません。つまり、手間暇をかけて変更する必要はないと判断する保険会社も出てくるでしょう。
そしてあくまで、参考するイメージが出されただけなのでカスタマイズしてオリジナリティーを出してくる保険会社も出てくるはずです。
- ぼくたち医療機関としては統一様式であることが望ましい。
- 患者さんにとっては1日でも早い診断書の作成(保険金の入金)が望ましい。
それなのになかなか統一がされない診断書。僕たち現場職員が求めているのは記載内容の統一ではなくて記載様式の統一です。
なので結果は何も変わらないということになります。
ここは面白いポイントですね! 誰が何のためにバラバラの診断書を望んでいるのか。これがわかると次のステップに進めます。ちょっとだけ考えてみましょう。なぜ保険会社の診断書は各社でバラバラなのでしょうか。
本日のまとめ
頭のいい人が大人数で「民間保険会社が医療機関に求める診断書等の簡素化等に関する研究会」と題するものを4回も開催するくらい重要な問題なんですよ。
そして厚生労働省はこのガイドラインを
「医師の働き方改革の着実な推進にとっても有効なもの」
と見解を示しています。
何が問題かって?この問題を考える人たちでしょう。
しかし、大人の社会というのは簡単に進まないことも知っています。ぼくは大人になったからね。
問題を複雑化して「結論」と「責任」を曖昧にして問題を先送りにしてなんとなく過ぎ去ることを考えている人が多い。
今日のテーマは診断書の様式に関するガイドラインが変更になったよ!ということを知らせることですので、書類担当者は一読しておいてもいいかもしれません。
病院の診断書料金についても考える必要が出てくるかもしれませんね。日々新しい問題が出てきますが一つ一つクリアして行きましょう。
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